「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート

南アルプスや富士山など壮大な山々に囲まれた山梨県・勝沼、そして韮崎。ぶどうとワインのサンクチュアリとも言えるこの地で、11月5日山梨ワインを堪能するプレミアムなバスツアーを開催しました。その名も「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」。

ツアーは勝沼からはじまり、この地を代表する歴史的観光地「大善寺」「宮光園」を訪問。そしてメイン会場となる「マルス穂坂ワイナリー」では、雄大な眺めとともに山梨県在住・出身の新進気鋭のシェフやソムリエたちによる特別料理とワインを味わう極上のペアリングダイニングをご用意。

山梨ワインを筆頭とした料理、風土、文化とのマリアージュを楽しむ旅をお届けします。

明治時代から続く山梨ワイン。その貴重な歴史とルーツに触れる

午前10時、本ツアーのために集まった総勢45名の参加者を「勝沼ぶどう郷駅」でお迎えし、バスで最初の目的地「柏尾山 大善寺」へ向かいます。

勝沼ぶどう卿駅 「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
「勝沼ぶどう郷駅」の駅舎は、ステンドグラスが映える洋館風の建物
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山梨県「柏尾山 大善寺」の本堂。©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
「柏尾山 大善寺」の本堂。荘厳な空気が漂っており、歴史の重みを感じる 
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「柏尾山 大善寺」は、甲州ぶどう発祥に深くゆかりがあるとされており、別名「ぶどう寺」と呼ばれています。

ここでは「ワイン拝観」として、本堂の拝観と、住職が自ら醸造したオリジナルワインをいただきます。

山梨県「柏尾山 大善寺」の本堂内 「柏尾山 大善寺」の本堂。
住職の話に耳を傾ける参加者たち ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

1300年の歴史を持ち、国宝に指定されている大善寺。その成り立ちや建物の特徴について、住職よりご説明いただきました。

「ワイン拝観」として振る舞われた、住職お手製の甲州の白ワイン。
一方、奥のグラスはぶどうジュース。大善寺では「ぶどうジュース拝観」も可能 
©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
「ワイン拝観」として振る舞われた、住職お手製の甲州の白ワイン。
一方、奥のグラスはぶどうジュース。大善寺では「ぶどうジュース拝観」も可能
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拝観後は大善寺オリジナルの白ワインで一休み。果実そのものの爽やかさと芳醇さがあり、訪問記念として記憶に残る味わいです。

「宮光園」の入り口の門 ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
「宮光園」の入り口の門 ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

次に訪れたのは、宮崎 光太郎氏が1886年に日本初の民間ワイン醸造会社「大日本山梨葡萄酒会社」の醸造器具等を引き継ぎ創業した、宮崎葡萄酒醸造所と観光葡萄園の総称「宮光園」。宮内省のご用達だった由緒ある醸造所です。

明治時代にはじまったワイン作りにまつわる資料や、皇族が宮光園を訪れた当時の写真など、数多くの歴史的資料が展示されています。

山梨県「宮光園」©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

山梨県「宮光園」©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
明治から昭和当時に販売されていたワインボトルの展示。
ラベルデザインも褪せることなく残されている 

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当時日本ではワイン作りの技術は乏しく、多くの人が失敗に終わりました。そんな中で根気強くワイン作りに挑み日本ワインというブランドを確立させた宮崎光太郎は、食の世界においても貴重な存在。

中にはガイドの方に熱心に質問する参加者の方の姿も。学び多き時間となったようです。

次はいよいよ、本ツアーのメインイベント「ペアリングダイニング」の会場に向かいます。

山梨と縁が深いシェフやソムリエによる、本ツアー限りの美食体験

宮光園をあとにし、さらに標高の高い地へとバスを進めてたどり着いたのは「マルス穂坂ワイナリー」。

ペアリングダイニングは、このワイナリーのウッドデッキで開催します。

山梨県にゆかりのある才能豊かなシェフやソムリエたちが腕を振るうペアリングダイニングでは、山梨県の食材を活かしたスペシャルコースとともに、厳選された山梨ワインや日本酒を堪能できます。

マルス穂坂ワイナリーのテラス 「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
「マルス穂坂ワイナリー」のウッドデッキにセッティングされたテーブル席。
ぶどう畑を彷彿とさせる飾り付けが華やか ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

マルス穂坂ワイナリーのテラス 「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

今日一番の感動を生み出す、特別な場所。秋晴れの空の下で輝くワイングラス、目の前に広がるぶどう畑と壮大な山々のコントラストにわっと歓声が上がりました。

マルス穂坂ワイナリー「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

まずはワイナリーへの訪問を歓迎し、2品のアミューズ、そして穂坂地区産のシャルドネを使った白スパークリングワインのウェルカムドリンクをご提供。

その後のワイナリー見学(醸造所ツアー)では、迫力ある醸造機械や巨大タンクを目の前に、穂坂ワイナリー独自のワイン作りの製法について理解を深めました。

マルス穂坂ワイナリー醸造所「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

そしていよいよ、ペアリングダイニングへ。

乾杯は、先日解禁されたばかりという山梨ヌーヴォー。ミュージシャン・Saigenji氏による生演奏もはじまり、極上のひと時が幕を開けました。

マルス穂坂ワイナリーのテラス 「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ミュージシャンのSaigenji氏 
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心地よいテンポの演奏と伸びのある歌声で
会場をロマンチックに彩るミュージシャンのSaigenji氏 
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ペアリングのメニューは全部で6品。シェフたちが情熱を込めて作り上げた前菜3品、魚料理、肉料理、デザート、そしてそれぞれの料理と調和するワインや日本酒を用意いたしました。

「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
参加者に配られたメニュー表では、提供される料理の内容やワインの銘柄、シェフの名前を確認できる
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「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
料理は参加者が座るテーブルの目の前で調理され、ライブ感を楽しめる
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「山梨産馬肉と洋梨のセルクル仕立て 食用酸漿 牛蒡のムース 無農薬ライムの泡」「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
前菜メニューのひとつ、山田 真治シェフによる
「山梨産馬肉と洋梨のセルクル仕立て 食用酸漿 牛蒡のムース 無農薬ライムの泡」
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「八ヶ岳湧水岩魚 身延湯葉包み蒸し 落花生と青柚子風味 ブールブランソース」「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
メインメニューのひとつ、鈴木 信作シェフによる
「八ヶ岳湧水岩魚 身延湯葉包み蒸し 落花生と青柚子風味 ブールブランソース」
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「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

料理とワインがサーブされる合間には、今回のペアリングダイニングに携わったワイン醸造家、生産者、料理人、ソムリエたちが食事をより楽しむための解説をお届け。食材のこだわりやメニュー誕生の裏話など、余すことなく語り尽くします。

山梨県大月市出身のソムリエ・長谷部 賢氏。自ら厳選したイチオシのワインを解説
©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
山梨県大月市出身のソムリエ・長谷部 賢氏。自ら厳選したイチオシのワインを解説
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ワイン県やまなし美食ブランド創造アドバイザーであり、ナビゲーターをつとめる宮下 大輔氏 ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
ワイン県やまなし美食ブランド創造アドバイザーであり、
本ツアーのナビゲーターをつとめる宮下 大輔氏。
今回の企画に込めた想いを語る ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

ワイン、食事、会話、そしてまたワイン……全てが幸福の循環となり、会場の賑わいが止むことはありません。

本ツアーに参加した方々にお話を伺うと、ワイン好きはもちろんのこと、ご自身の誕生日祝いに来られた方、ワインの勉強をしている方など参加理由はさまざまでしたが、どの方からもペアリングの完成度の高さ、そして山梨ならではという独自性と特別感に高い評価をいただきました。

中には「最高のお料理。次は、今日のシェフのレストランを訪れるために山梨に来たい」という声も。またこの地でお会いできるのが楽しみです。

マルス穂坂ワイナリーのテラス「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

日暮れとともに本ツアーは終わりを迎えました。「またいつでも遊びに来てほしい」そんな気持ちを込めて、最後はスタッフ全員で手を振り、参加者のみなさんをお見送りしました。

山梨の絶対的な魅力「ワイン」との掛け合わせで美食文化の発展を目指す

本ツアーは文化庁と手を取り合い、山梨における文化観光のさらなる発展を目指して開催しました。

山梨が誇る文化資源「ワイン」。そのワインをあらゆるものと掛け合わせて化学反応を起こすことで、新しい「食」の誕生や「美食文化」の進展が期待できると実感しています。

今後もより多くの観光客を魅了する土地・山梨県へ、力強く舵を進めていきます。

左から、宮下 大輔氏、天野 洋喜氏、堀内 浩平氏、山田 真治氏、
鈴木 義豪氏、岩澤 尚也氏、鈴木 信作氏、豊島 雅也氏、
長谷部 賢氏、堀内 茂一郎氏「Open Winery 2022 ワイナリーをひらく。風土と文化がひとつになる極上ペアリングダイニング」開催レポート ©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE
本ツアーで活躍したナビゲーター、シェフ、ソムリエたち。
左から、宮下 大輔氏、天野 洋喜氏、堀内 浩平氏、山田 真治氏、
鈴木 義豪氏、岩澤 尚也氏、鈴木 信作氏、豊島 雅也氏、
長谷部 賢氏、堀内 茂一郎氏©YAMANASHI GASTRONOMY&WINE

取材日:2022年11月5日

画像:YAMANASHI GASTRONOMI&WINE